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2017年10月05日

第三回竹ノ学校&イベント出店情報

久しぶりの更新です。予定では第二回「この戦場は南方」のレポートを書くつもりでしたが、八月に入ってから体調を崩してしまい病床に伏せていたためすっかり旬を逃してしまいました。
今回は記憶が新鮮な内に先日竹の会主催で実施した第三回陸軍竹ノ学校について紹介したいと思います。
第二回の記録映像は色々あって公開が遅くなりましたが近々公開予定です。

陸軍竹ノ学校と題した自主勉強会は主に昭和十七年頃、日本陸軍に入隊した初年兵が最初にうける初年兵教育について考察し実際に体験する学習会です。
戦時中実際にどのようなことが教育され、どのような苦労があったかを知る機会とし、得た知識や経験を幅広く参加者自身や社会生活に平和的に役立てていただきたいと考えています。
所謂ミリタリーマニアから全く軍隊に触れたことのない一般学生、一般社会人を対象とした学習会ですので、予備知識のない人、軍装品を所持していない人、性別、年齢、国籍を問わず参加者を募集しています。

今回は参加者の方々と共に、戦闘に関連した教練を中心に学習しました。学習内容は当時の教範(教科書)を基本とし、分隊規模の組織的行動ができる事を目標としました。指揮班が安全面に配慮する一方で参加者の方々には実際行動してみてどれほど体力を消耗するか、また剣術による格闘、突撃の恐怖感、危険性などを知ってもらうことに留意しました。
これは竹の会の勉強会での目的であるところの歴史を肌で学ぶ上で重要な点であり、生活面においては何が必要なのか、どうしていたのか考察する機会とし、また戦闘においては模造品とは言え凶器となる武器や一連の動作の危険を知ってこそ自分を律することが可能になると考えた上で実施したものです。
当勉強会も被服の着装要領から学び始め、ようやくスタート地点に立った感があります。

基本を学んだ上での各動作は映像作品における演出でもかなり効果を発揮しそうです。
今回記録映像や写真を撮っている上で特に強く感じ、何度も初年兵に立ち返り学習していかねばならないと思いました。
今後も学習を重ね得た知識や経験を平和的に活用していきたいと思います。

今回参加してくださった方々は第二回と違って見知った顔ばかり(笑)
とはいえ基本である軍装品の着装要領から学び、昼食は入営記念で麦飯二合、魚塩焼き(残念ながら今回はお頭無し)、豆腐汁、福神漬けを頂きました。食事は炊事班により今回も軍隊調理法に基づき調理。また今回麦飯を軍隊調理法にあるような沸騰した熱湯から炊くというのを試しましたがなかなか上手くいきました。炊飯ひとつ取っても勉強です。炊事班は初日大忙しでした。お疲れ様でした。
その後も各個教練を行い基本の所作を学びました。古参のマニアの方から「私が軍隊経験者教えてもらったのはこうだった」など様々な情報交換もして頂けたのでありがたい機会となりました。基本的な部分でも各連隊や時代によって差異があります。(例えば脚絆の巻き方や鉄帽の顎紐の処置など)





午後は軽く行軍した後天幕にて野営。夕飯は携行食とし焼きおにぎり、鰹節の佃煮、沢庵となりました。炊いた米は水分が多いと腐りやすく、水分が飛ぶので焼きおにぎりは熱地や寒冷地でもよく食されたそうです。
野営では個人で携行する携帯天幕を繋ぎ合わせ、下には枯れ草やシダ植物など植物を敷き、外套を羽織って就寝してもらいました。
前日に雨が降ったため地面の状態が悪かったこともあり寝苦しかったとは思いますが、行軍と野営にはいくつか目的がありました。
・背嚢を背負った状態での行軍で生じる体への負荷を体験する。
・背嚢への装備の縛着要領の重要性を知り、縛着の作業に慣れてもらう。
・背嚢、雑嚢等の装備には本当に生活に最低限必要な物しか入らず、それだけで生活するということ、また本当に必要な携行品は何かを知る。
・天幕野営は決して良い環境ではないが、睡眠なくして体力は回復できない。衣食住の住の重要性を知る。

このような目的を持ちつつ再現された70年前の装備でどのように生活するか、また昔はどうだったのかを学ぶ機会としました。



夜間は湿度が高く蚊が多かったので携行品の蚊取り線香も使用しました。少しでも住環境をよくする為に様々な道具が必要ですが、その分装備は重くなっていきます。
朝食は携行食である乾麺ぽう(大型乾パン)、缶詰(パイン缶)、飯盒で汁物とし、食後に装備をまとめ帰営。





その後は執銃教練から射撃、剣術等戦闘に関連した教練を中心に実施しました。









剣術では初年兵教育中刺突の要領を習得することになっているとのことなので、木銃を使って体験的に学習しました。
実際に突きつけられる、突きつける恐怖感、緊張感を知ることで武器取り扱いの危険性、重要性を知ってもらいました。
ミリタリーイベントでもよく話題になりますが、例え模造品でも銃剣を着剣した状態で相手に突きつける行為は危険ですし、相手に恐怖感や不快感を与えます。
日頃よりふざけて取り扱ってはならないものとして、剣術の項目は注意喚起も兼ねて実施することとしました。



暑さの中必死に教練し、昼食です。
昼食は混ぜ飯(牛肉代用で鯨肉大和煮)、豚すいとん、福神漬けとしました。また加給食で羊羹を食べ鋭気を養いました。



昼食後は場所を変えて戦闘教練の続きです。
基本所作の学習の後、散開、組前進の要領を学習します。



間隔をあけ散開し、一組、二組にわかれ前進を開始します。二組の射撃支援を受けながら一組が前進。






一組が目標地点に到着し射撃支援を開始し、二組も前進。




伏射の姿勢から立ち上がり前進。前進の姿勢は敵に接近するにつれ低くなっていきます。

続いて突撃の要領について学習します。
突撃発起地点まで前進した後、着剣し突撃命令を待ちます。(練習では安全面を考慮し着剣なしで行っています。)
突撃に進めの号令で前進開始。




続いて突っ込めの号令で銃を両手に握り敵陣に突撃します。












最後は総合訓練とし仮想敵を配置した上で散開、組前進、突撃まで一連の動作を演習しました。



訓練が終わり戻ってくると巻脚絆が解けていたり装具が汚損していたりと、反省点や改善点も見えてきました。




これも当時は何度も演練していくうちに改善していったのでしょう。
汚損した被服や装備は個人で整備してまた綺麗な状態に戻さねばなりません。
整備の要領も当時の教範がとても頼りになります。全てが学習の機会です。

こうして第三回陸軍竹ノ学校は無事終了しました。
初めて実施した戦闘に関する教練などでまた研究の幅が広がりました。これからも新しいことに挑んでいき学習していきたいと思います。
また今回も記録映像を撮影したので、近日中に第二回の様子を公開した後に第三回の映像も公開できたらと思います。
参加者の皆様、お疲れ様でした!

陸軍竹ノ学校は基本的には誰でも参加できるイベントです。第四回でも参加者を広く募集したいと思っていますので参加してみたい方はご検討よろしくお願いします。


竹の会出店情報

竹の会のイベント出店情報です。

10月21日



日華事変ヒストリカルサバゲー2017
主催:鈴木松次郎さん
昭和12年の第二次上海事変を想定したヒストリカルサバイバルゲームイベントです。
出店参加の予定ですが個人的に竹ノ学校の構成員をはじめ私も分隊長として指名された為ゲーム参加もします。
同時期の日本軍、中国軍の複製軍装品を中心に販売したいと思います。
ゲームに参加したいけど装備がないという人などは是非ご相談ください。


11月4日
PHS-11
主催:HARU様
すっかりお馴染みの川越PHSです。
今回も物販参加予定です。
よろしくお願いします。


11月5日
第84回ビクトリーショー
主催:サムズミリタリ屋様
毎度恒例のVショーです。今回も出店参加となります。よろしくお願いします。
  

2016年12月29日

コミックマーケット91出店情報

先日第二回竹ノ学校を実施しました。
参加者も前回の倍以上の10人越えとなり、大変有意義な勉強会となりました。


今回初めて軍服に触れる方や、二度目の参加になる方、興味関心があり参加してくれた方、スタンスは様々ですが勉強会を通じて当時の軍隊生活について学び、様々なことを考え、感じることで各々大きな成果が得られたようです。私達も成功した点、改善点、反省点など色々得られることが多く充実した勉強会となりました。

今回はその報告を書こうと思ったのですが、急遽12月30日(金)開催のコミックマーケット91での新作「孤島の誓い」DVDの委託販売が決定しましたので先にこちらをご紹介します。

委託先はいつもお世話になっております辛子工房様です。当日は私も売り子参加いたします。



12月30日(金)
委託先:辛子工房(東d06b)
竹の会製作「孤島の誓い」DVD 一部 二千円


予告編



よろしくお願いします!


  

Posted by メラーノ at 00:17Comments(0)制作記録イベント出展情報

2016年12月15日

第一回陸軍竹ノ学校記録映像公開

以前ブログでも紹介しましたが(紹介記事はこちら)、竹の会主催で行った初年兵教練会「陸軍竹ノ学校」の記録映像を公開しました。
まだまだ勉強不足ですが、より深く戦前、戦時中軍隊のことを理解するための勉強の場として第二回も実施予定です。


第一回 陸軍竹ノ学校 記録映像



第二次世界大戦中の日本の陸軍で行われた初年兵教育について、活動に興味を持ってもらった初心者の参加者と共にシュミレーションしながら体験学習しました。
今回は昭和十七年を想定し当時の証言や各種教範を参考に、安全のため元、現職含む自衛官の方々からの助言も頂きながら実施しました。
実際に当時の軍隊でどのような事が教えられていたのか、体験的に学んでいき、今後の作品製作へ生かしていきたいと考えています。
施設の設備や人員、予算に限りがあるため、「ごっこ」でしかありませんが、得たものは大変多くありました。
当時の人々の苦労を偲びつつ、得た経験や知識を平和的に役立てていきたいと思います。
  

Posted by メラーノ at 16:13Comments(0)制作記録

2016年11月11日

竹の会製作DVDのご案内

竹の会製作のDVDについてのご案内です。
DVD購入を希望の方は購入希望のDVD、枚数、送り先住所をメール[taem.take@gmail.com]にてご連絡願います。
在庫確認次第、振込先をご連絡しますので銀行振込にてお支払いください。発送は基本レターパックを使用します。
ご質問などありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

新作「孤島の誓い」
一部2000円(在庫あり)



予告編


あらすじ
昭和十九年春、結婚して間もない功刀博(くぬぎ ひろし)は海軍技術中尉として南太平洋パラオ諸島、ペリリュー島に派遣される。
配属先の海軍西カロリン航空隊第214設営隊は、隊員のほとんどが軍属の基地設営隊であった。
半年前まで学生だった功刀は早く部隊に馴染もうと努力するも、同年九月、ついに米軍が上陸し戦闘が開始される。
武器も足りず、まともな戦闘に参加できない部下達のこと、本国に一人で残してきた妻のこと、考える間もなく激しさを増す戦闘。
功刀はただ最善を尽くそうと立ち上がる。
実際に戦場で起きたエピソードを織り交ぜ、前作「ペリリュー決戦」では描かれなかった海軍軍人の視点で描かれるもう一つの物語。

中野新人監督映画祭 招聘作品

作品解説
前作「ペリリュー決戦」の番外編として製作した40分ほどの作品です。
製作の様子は「制作記録」の記事一覧から見る事ができます。


「陸軍教練の参考」(軍事法規研究会様 企画作品)
一部3000円(在庫あり)



『日本陸軍の各種教範等を基に初年兵第一期教育で実施された基本的な教練について解説した映像資料「陸軍教練の参考」軍事法規研究会が難解な各種教範等を読破検証し遂に映像化。兵士の基礎動作が目で分かる。是非お買い求めください!!』軍事法規研究会公式HPより

企画から三年を費やし考証と撮影を何度も実施、内容約60分で「敬礼」はもちろん小銃の射撃姿勢や部隊の整列といった細かな所作まで解説、映像にて再現した大ボリュームの映像となっています。竹の会は撮影やロケ地協力、編集からDVDのパッケージ化まで担当しました。
映画、舞台演劇の演出部の方やイラストレーター、漫画家の方へも参考資料としてもお勧めできます。

軍事法規研究会HP https://gunhouken.amebaownd.com

軍事法規研究会ブログ内DVDネット販売コーナー https://gunhouken.amebaownd.com/posts/1088879



「狼の一日」約25分

「紅虎作戦」約10分「化狸作戦」約20分 等も収録した短編集。一部1000円(在庫わずか)



予告編



あらすじ
1938年、戦火激しい中国大陸。
日本陸軍のある部隊が中国国民党軍との戦いの中、突如として現れた謎の偽日本軍部隊に攪乱、包囲され孤立する。
状況を打開すべく上野軍曹はかつて共闘した軍閥の猛上尉を頼ることに。
猛上尉の部隊は元奉天派で、一応は国民党軍の指揮下にありながら日本軍と協力関係にあった。
しかし、上野は偶然にも猛が国民党中央政府軍の将校、陳と武器の取引をしている現場を目撃してしまう。猛上尉は二重工作をしていたのだ!
口封じの為、追っ手を放つ猛上尉。部隊と自身を窮地に追い込まれる上野軍曹。お互いに容赦なく騙し合い、殺し合う。
正義の無い戦場が日常と化した、狼達のある一日。
竹の会がお送りする大陸活劇!

作品解説
竹の会製作の短編作品群である二・二六事件シリーズ、大陸活劇作品である「紅虎作戦」「化狸作戦」「狼の一日」の三作品他を収録した短編作品集。

DVD発売記念CM



「ペリリュー決戦」約一時間
特典映像付き一部2000円(在庫なし)




予告編


あらすじ
1944年、ペリリュー島の激戦において、日米双方は多大な犠牲を払ったが、その戦いは戦史上あまり注目される事が無く、「忘れられた戦い」と呼ばれた。大きな戦力差がありながら、孤立無援の日本軍は戦い続け、アメリカ軍に予期せぬ犠牲を払わせる結果となった。戦死した兵士達は、二十代の若者ばかりであった。
ペリリューの戦いの様子をドキュメンタリータッチに描いたドラマ作品。

作品解説
現地戦跡の取材映像を交えた長編作品。ペリリュー島の戦いの経緯を様々な立場の軍人たちを通して描いた群像劇。
現在資料館などでの展示上映などのお話もいただいております。

※2016年11月現在DVD在庫無し、再販の予定もありません。

ハードボイルドヨコハマ映画祭(http://www.hardboiled-yokohama.com/2011/)審査員個人賞 深作健太賞受賞
福岡インデペンデント映画祭(http://www.fidff.com/)美術賞受賞、優秀作品入線  

Posted by メラーノ at 21:45Comments(0)制作記録DVD購入のご案内

2016年08月07日

夏の出展&出店情報&DVD「陸軍教練の参考」「孤島の誓い」発売!

8月となりまして暑さもまだまだ厳しい時期ではありますが、8月の出店情報、DVD発売情報です。

・8月12、13、14日
浅草で開催のミリタリーショー「ブラックホール」へ出展します。
テレビモニターを使っての映像配信、出店コーナーでDVD販売など実施します。
ライブコーナーのすぐ隣だそうですので音はほとんど出さずという形になりそうです。

・DVD販売情報
「歴史映像研究会 竹の会」が製作協力した軍事法規研究会監修の「陸軍教練の参考」が遂に発売!













『日本陸軍の各種教範等を基に初年兵第一期教育で実施された基本的な教練について解説した映像資料「陸軍教練の参考」軍事法規研究会が難解な各種教範等を読破検証し遂に映像化。兵士の基礎動作が目で分かる。是非お買い求めください!!』軍事法規研究会公式HPより

企画から三年を費やし考証と撮影を何度も実施、内容約60分で「敬礼」はもちろん小銃の射撃姿勢や部隊の整列といった細かな所作まで解説、映像にて再現した大ボリュームの映像となっています。竹の会は撮影やロケ地協力、編集からDVDのパッケージ化まで担当しました。
映画、舞台演劇の演出部の方やイラストレーター、漫画家の方へも参考資料としてもお勧めできます。

軍事法規研究会HP https://gunhouken.amebaownd.com

軍事法規研究会ブログ内DVDネット販売コーナー https://gunhouken.amebaownd.com/posts/1088879

「陸軍教練の参考」は軍事法規研究会公式HPのネット販売コーナー、ブラックホールショー会場の竹の会ブースで購入いただけるほか、同時期開催のコミックマーケット90内、3日目の8月14日日曜日、西ま04bたまや様、西ま05a辛子工房様、西ら09bちばらぎ鉄道管理局様の3箇所にて委託販売されます。

価格は一部3000円を予定しています。

・映画祭出品情報
短編作品である「りくぐん のらいぬ ものがたり」が未完成自主映画祭へ出品されました。
キャラクター、特撮、着ぐるみ・・・と、条件は満たしているはずです(笑)

「りくぐん のらいぬ ものがたり」




あらすじ
どこかの国のどこかの軍隊で頑張る犬の兵隊、野良犬夫がおりなすシュールな日常ドラマ。
辛いこと、苦しいことは時には戦友たちと、時には勇気をもって乗り越えていく野良一等兵。笑いあり涙ありの物語。




この作品は短編作品として近いうちにyoutubeで少しずつ公開していく予定です。
完成している分は未完成自主映画祭で観られる・・・はず!
イベントの司会を大学の先輩であるガイガン山崎氏が担当、私も撮影に協力している同氏が監督する特撮作品の一部も観られるようです。


第二回お茶の水クリエーター祭へ「孤島の誓い」が参加します!
問い合わせを多数頂いている「孤島の誓い」ですが、まもなく販売用DVDが完成となりますのでもう少々お待ち下さい。




参加したイベントである第二回ボリボラレ島攻防戦、COMBAT!11で撮影した動画と、昨年の「この戦場は南方」の動画も近日中に公開予定です。
お楽しみに!

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Posted by メラーノ at 02:24Comments(0)制作記録イベント出展情報

2016年07月13日

7/18Vショー出店のお知らせ!&「続・幻の太平洋戦線 ボリボラレ島攻防戦」参加記録

6/25~26日開催のオフィス・デューク主催キャンプ&ヒストリカルゲーム「続・幻の太平洋戦線 ボリボラレ島攻防戦」へ出店参加しました。
今回は友人であるN氏の分隊に参加し、斥候隊の任務について勉強しました。
初心者の参加者にも一緒に参加してもらい、基本教練を実施。座学にて斥候とはどういう任務であるか、どういった適性が求められるか、実際どのように実施されるかについて学びました。
二日目のゲームは主催側にも事前に話を通して配慮してもらい、斥候隊はサバイバルゲームで積極的な戦闘は行わず、斥候の任務に励みました。


分隊に参加の皆様、お疲れさまでした。また配慮してくださった主催のデューク氏、ありがとうございました。実りある勉強会となりました。


夜の座学の様子。夜中でしたが二時間ほどかけじっくり学習しました。


食事の様子。
今回は私も後方支援にまわり糧食を準備しました。朝食は南方でよく食べられたというサクサク粉、バナナでした。

サクサクはサゴ椰子のでんぷん質を粉状にしたもので、当時食料に困った軍は現地民からの買い上げでこのサクサクを入手し、これを利用したサクサクうどんなどの代用食も作られました。
今回は南方でよく食べられる調理法で熱湯で熱しくず状に溶いたものを食べましたが、粉っぽく決しておいしいものではありませんでした。
当時の証言によれば団子状になったこのサクサクを一塊渡され、昼食はこれを飯ごうの蓋の上で軽く焼いて食べたというのもありますので、食べ方は色々あったと思います。試しに焼いて食べてみましたが、大変食べにくいものでした。当時も決して好まれた食べ物ではなかったかもしれませんが、多くの将兵の命をつないだ食品の一つです。参加者の皆さんも口に入れたはいいものの、なかなか飲み込めず苦戦していましたが、これも当時の苦労を知るいい機会となりました。
昼食はフィールド内にて状況中のまま食べることになっていたので、雑囊に食料を携行。



昼食の内容は乾麺麭(かんめんぽう)と氷砂糖。
乾麺麭とは大型の乾パンのようなもので日露戦争の頃より食べられていた保存食で、普段は背嚢に携行したりします。
当時よりやや小型ですが大型乾パンを当時風に包んでみました。氷砂糖は当時1日120グラム配られたそうです。今回はやや多めに当時風のパッケージで包みました。
その他にも、暑かったのでこれとは別に乾燥梅干をいくらか携行してもらいました。



今後もこのような学習の場を設けていこうということになりました。ご興味のある方はお気軽にお声がけください。装備の貸出などもあります。

さて、ボリボラレ島の次は御殿場SVGNET様主催、コンバットへ参加しました。



この話はまた次回更新で!

さてここで
<新作DVDのお知らせ>


三年ほど前より竹の会が撮影、編集協力していた軍事法規研究会様監修のDVD「陸軍教練の参考」がこの夏いよいよ発売となります。

『日本陸軍の各種教範等を基に初年兵第一期教育で実施された基本的な教練について解説した映像資料「陸軍教練の参考」軍事法規研究会が難解な各種教範等を読破検証し遂に映像化。限定100枚、兵士の基礎動作が目で分かる。8月発売予定!!』

詳しくは軍事法規研究会様HPか、公式ツイッターにてご確認ください。


<出店のお知らせ>
7/18開催のビクトリーショーへ今回も出店参加します。
何かしら面白いものを紹介できればと思っておりますが、映像製作で忙しくまだ何をもっていけるかわかりません。
大阪のショットショーへ参加した際持っていったものなどもまた作り足しておこうと思います。

後期型近衛兵略帽。終戦時の宮城事件などで近衛兵が使用していたタイプになります。帽章はいつもの布印刷でそれっぽく製作しました。帽章のみの販売もあります。

中田商店製雑囊改造十二年型雑囊。金具式の尾錠で平紐を固定するタイプです。

ビクトリーショー会場の5階、C-17,18で古鷹屋さんと共同出店となります。よろしくお願いします。

  

Posted by メラーノ at 12:44Comments(0)制作記録イベント出展情報

2016年05月12日

最近の活動報告

PHS-8出店無事終了しました。
ご来店いただいた皆様ありがとうございました。
今回は二日間開催ということで初日からの参加でした。
初日は平日というのもあって人はちらほらとしかいませんでちょっと寂しかったですが、出店者の方々とのんびりお話などできて楽しかったです。
出店者の皆様もお疲れ様でした。今はSNSも便利になりネット上で気軽にやりとりできる時代ですが、やはりその場でしかできない話というのもあるので直に交流できる場所は貴重だなと思います。

出店の様子



陸軍軍属、雇員で売り子をしてました。



2月の撮影で試作した四五式肩章の要望があったので肩章を量産しましたが、お陰様で残りはこれだけです。
海軍の官職区別章は材料の都合で在庫限りの予定。防暑襦袢などに使う襟章台座は実物を参考に小型の物を新規製作。バリエーションを増やしたいと思ってます。
完売していた昭五式~九九式水筒の針金タイプの口栓を増産しました。
口栓ですが、底がネジ止めではなく完全ではないという意見を頂きました。
確かにその通りで実物はコルク栓が1.5倍ほど長く、針金も真鍮線で底がネジ止め式なのですが、コルク栓など材料が入手できず、またネジ止めなどの加工をすると単価がかなり高くなってしまうので簡易な造りにしています。
あくまでも撮影用の消耗品として安く作っているという点をご理解ください。

初日夕方より雨が降り気温が一気に冷え込みましたが、二日目は晴れて暑いくらいでした。
参加者の皆さんも暑さでやられていたようです。フィールド側で用意していた冷えたドリンク類も完売していたとか。

さて、珍しく参加者の皆さんの写真を撮る機会がありました。
ツイッター上で何枚か紹介中です。

日本陸軍、三者三様の軍装
モデル:松次郎さん、ノクターンさん、幸みらいさん

陸軍兵長肩章装着例

最近はたまに軍装とは関係のないコスプレイヤーさんに頼まれてカメラマンをすることもあります。
写真撮影自体は好きなのでお気軽にお声がけください。



さて、今回のPHSですが、GW明けの人もいたようで参加できなかった人たちもかなりいるようです。今回参加できなかった人、これから参加を検討している人にも知っておいて欲しいことがあります。

前回問題になった、参加者が模造刀で相手の装備品を傷つけた、事故に繋がりそうだった危険行為について、今回は二日目の朝に主催側から模造刀の抜刀行為、銃剣類の着け剣行為が禁止とアナウンスされました。
しかし午後には1ゲームのみチャンバラ戦が実施され、走らない、勢いよく突かないなどの注意呼びかけが行われていたようですが、参加者が撮影された映像などを見てみますと注意事項が守られていないばかりかスポンジ製の剣や槍以外の物も使われているようでした。
本来危険がないよう主催側で厳しく取り締まるのはもちろん、参加者側でも安全管理に留意すべき点ですが、遊ぶことに夢中になってしまい徹底されていないように思いました。
この模造刀類の使用に関しては、他のヒストリカル系のイベントでは十年以上前から注意喚起が繰り返し行われておりますが、万が一怪我を負わせた場合当人同士だけの責任問題で済むはずがなく、イベント主催やフィールド側へ迷惑をかけることになります。また怪我の度合いによっては一生を台無しにします。

またチラッと耳にした話ですが、軍服を着たままフィールドの外、公道へ出たり、近くの店へ買い出しへ行ったり等というマナー違反行為が散見されフィールド側に迷惑がかかったということだそうです。イベント中も主催側が繰り返し注意喚起のアナウンスをしていました。

改善のため主催側に努力していただきたいというのはもちろんなのですが、イベント参加者も単にお客様ということではなく、イベントを作っている一員ということを自覚し、楽しいイベントをこの先も長く続けるためにもマナーを守り、主催側の呼びかけに協力的に動いてくれることを切に願います。

今後も皆で盛り上げていきましょう!


さて最近映像製作について報告していませんでしたが、「孤島の誓い」DVD化計画や新作の撮影は着々と進んでおります。



二・二六シリーズ最新作のため、あまり規模は大きくはありませんが二・二六事件の再現シーンを撮影しました。









腰を据えてゆっくり製作しようと思います。
撮影に協力していただいた皆様、ありがとうございました!

・イラスト資料協力
イラストレーター、三笠舞子氏の描かれる挿絵のモデルとして竹の会撮影の写真が参考に使用されました。

三笠舞子氏のツイート
イラストつきツイート


参考に使っていただいた写真がこちら。
2014年開催のサムズミリタリヤ様主催「幻の太平洋戦線・ボリボラレ島攻防戦」で撮影したもので、戦車は特別に参加した御殿場のカマド自動車様所有の九五式軽戦車です。
この車両はハリウッドの戦争ドラマ「パシフィック」シリーズで使用された劇用車だそうです。

竹の会の映像や写真は基本無断転載などはお断りしていますが、今回のようにご利用されたい場合は事前にご連絡いただければ対応いたします。

・撮影協力
「孤島の誓い」で撮影協力や主題歌を提供してくださった佳館杏ノ助さんのお声がけで、個人的にMV撮影にスタッフ参加しました。

佳館杏ノ助さんのツイート

公開されてすぐにニコニコ動画でカテゴリーランキング1位だそうです。
おめでとうございます!

【刀剣乱舞】思色の誠【池田屋の記憶】

戦争もの以外は久々な気がします(笑)

・撮影協力2
SOMOVE! FILMS製作、渡邉 聡監督作品の自主制作映画「復活 THE REGENERATION」へ出演、エキストラや美術小道具、ロケ地協力など戦争中のシーンで協力しました。
無事完成し上映会に招待されましたので観てきました。完成おめでとうございます。

予告編



・撮影協力3
軍事法規研究会製作の「陸軍教練の参考(仮称)」DVDの撮影、編集など製作協力しています。
陸軍の基本教練を映像で紹介する内容で、この夏より販売予定です。



というわけで色々なことに参加、挑戦中です。
それでは。  続きを読む

Posted by メラーノ at 00:58Comments(0)制作記録イベント出展情報

2016年02月25日

二・二六事件特集



2016年は二・二六事件から丁度80年という年になります。
竹の会もこれまでに二・二六事件に関連した作品をいくつか製作してきましたが、今年も短編作品を製作中です。



久しぶりに衣装用として日本軍の四五式肩章を製作しました。
事件当時の陸軍兵士が使用していたものです。
一つだけ鳶色の肩章がありますが、ついでに作った満州国陸軍の肩章です。
日本陸軍は昭和十三年に階級章が肩章から襟章にかわりますが、満州国陸軍は最後まで肩章でした。

今年も毎年恒例の二・二六シリーズの期間限定公開します。

「夜の太陽」2010年製作
https://youtu.be/3PtmS9Aeq0Y

「化狸作戦」2012年製作
https://youtu.be/32dddDmf1ZI


「狼の一日」2013年製作
https://youtu.be/No1ePGAPThU

製作中の作品に関する話はまた後日になります。  
Posted by メラーノ at 01:02Comments(0)制作記録

2016年01月19日

本年もよろしくお願いします。



ご挨拶遅くなりましたが、本年も竹の会をよろしくお願い申し上げます。

写真の鏡餅は戦時中に作られた統制陶器の一つ。正月の鏡餅でさえ食糧事情から鏡餅もこのような陶器製の飾りに取って代わりました。
戦時中の国内の厳しい状況を物語る品の一つだと思います。
今年も竹の会は気を引き締めて製作活動に励みたいと思います。





昨年年末のビクトリーショー出店の際、ブースへお越しいただいた皆様、ありがとうございました。




今回は中国国民党軍の階級章各種と、第二次大戦後期に使用された中国雲南遠征軍の帽子を試作し販売しました。

国民党軍の襟章は台座の色で各兵科を表します。
赤(紅色)が歩兵なのは日本と共通ですが、黄は国民党では騎兵、黒は輜重、白は工兵、藍は砲兵、浅紅は憲兵を表します。

雲南遠征軍は戦争後期には米軍の教育を受け、装備と兵器は米英軍のものを使用していたため精強な部隊として日本軍と対峙した部隊です。
雲南遠征軍との戦いで、ビルマ方面で日本軍は大きな打撃を受けることになります。
国民党軍というと青灰色、もしくは薄く緑がかったカーキ色の服で帽子はドイツの規格帽に似た形が一般的ですが、雲南遠征軍ではより簡易な形となり、代わりに顎紐がつき帽章も織り出しの布製のものに変わりました。生地も明るい色となり、米軍からレンドリースで得た生地なのではないかと思われます。


肩の部隊章、胸の名札も試作してみました。名札の書き方には色々パターンがあるようです。
部隊章の88Dは陸軍第88師団を示します。88師は中独合作で派遣されたドイツ軍事顧問団の教育を受けた精鋭で、第二次上海事変に参加したことで有名です。
少し話は逸れますが第二次上海事変当時、ドイツは日本と中国国民党、双方と関係を持ちながら戦いを支持していたということになり、当時の微妙な政治関係が垣間見えます。またこの時日本はドイツを通じて停戦協定を結ぼうとしました。
また当時の証言などで確認できますが、この戦いには大規模な国民党軍の督戦隊が戦場に展開し、後退しようとする友軍を攻撃し激戦となりました。
88師団もこの督戦隊と衝突し大きな損害を受けたとのことです。一枚岩ではない国民党の内情や各軍閥との複雑な関係性なども考えさせられます。


何度か試作し販売している木製の三式地雷、九九式破甲爆雷は今回も好評でした。
材料の調達、製作に手間がかかるためあまり多くは作れません。

九九式破甲爆雷は嚢に収められるよう、信管パーツをネジ式で取り外せるように改良しました。
今回も磁石部分は安全を考慮してゴムスポンジ製ですが、吸着側に磁石を仕込んであるので金属に張り付きます。

撮影小道具にと調べだし試作を続けてきた軍装品ですが、最近はありがたいことにイベント会場でのやり取りやメールにて注文を頂けることも増えてきました。
素人細工ではありますが、ご注文頂いた方を優先して製作販売しております。

さて年始早々に竹の会恒例の美術小道具、衣装類の一斉整備を実施しました。
昨年は映画やテレビの再現ドラマ、演劇など様々な場面で衣装小道具の貸出もありました。
竹の会では年に一度一斉に検査、整備することで物品の長期使用、また急な依頼などにスムーズに対応できるよう努力しています。





※全て合法品です。

10年間ひたすらに収集した結果ではありますが、量が多いので毎年大変です。
ツイッターで何度か書いているのですが、被服類の整備についてフォロワーの皆さんは関心があるようでした。
機会を見て被服の整備、管理方法についてこのブログでもまとめてみようと思います。


昨年は新作の撮影など実施していたのですが発表には至りませんでした。
本年はできるだけ完成作品や研究成果を発表できるよう努力したいと思います。

歴史映像研究会 竹の会 2016  
Posted by メラーノ at 05:39Comments(0)制作記録出演者等、募集情報

2015年06月04日

各イベント出店終了、そして新作情報・・・

お久しぶりの更新です。
三月末の妖店百貨店、五月はPHS-6、レッドサンホワイトスター3とイベント出店が続きました。
ご来店いただいた皆様、ありがとうございました!
イベント出店は年内は減らしていこうと思っていたのですが、新作の製作経費がかなり不足しているので今後も続けていくことになりそうです。
今のところ7月のVショー、8月のブラックホールに出ることになりそうです。



妖店百貨店出店の様子。
怪しげな雰囲気に包まれて、出店側ながらなかなか楽しい企画でありました。


続いてPHS-6出店の様子。階級章など小物類を販売しました。
試しに作って青龍刀のおもちゃを持って行ったのですが、意外と好評でした。
大して強度はないので取り扱いには注意していただきたいです。
余計な御世話かもしれませんが、最近イベントで模造刀類をサバイバルゲームの会場で抜刀、着剣するなどして参加し、相手が危険を感じたり事故にあったという話をよく耳にします。
いくら模造刀類所持者の自己責任といっても相手が大怪我をしてしまったら自己責任で済む話では終わらないと思います。イベント会場側にも多大な迷惑になりますし、イベント自体続けられなくなる可能性は大いにあります。映像の撮影でも殺陣は十分リハーサルを行い安全面に気を配りながら実施しています。
写真撮影などで抜刀するのは良いとしても、ゲーム中はどんなことが起きるか予測できません。ゲーム中抜刀OKのイベント自体があまり多くはないと思いますが、たとえOKだったとしても十分注意が必要と思います。同じ趣味をもつ仲間同士で、楽しい思い出だけ残せるのがベストと思います。

第14師団さん主催のレッドサンホワイトスター3ですが、直前で出店決意しまして、こちらでは出店のお知らせができませんでした。
またイベント中は全く写真を撮っていなかったので出店の様子をお見せできないのですが、イベント終了してからちょっとだけ撮影しまして、久々にCMのようなものを製作しましたのでどうぞごらんください(笑)


続いて竹の会の新作情報です。
「孤島の誓い」ですが現在もDVD化に向けて調整中です。今月中には発注の予定ですので、うまくいけば夏コミには間に合うかもしれません。
4月〜5月は撮影の連続で、6月も短編の製作のため活動を予定しています。

まず4月は竹の会主催で「初年兵教練会ごっこ」を実験的に行いました。
昭和期の日本の陸軍(今回は昭和17年ごろを想定)における初年兵教育を、初心者マニア諸氏から志願を募ってやってみようという試みです。
「ベテランが教えてやる」なんて偉そうなことではなく、まだまだ勉強不足な私たち自身も一度初心に帰って、一から勉強しなおす場として企画しました。
今回は実験的企画ということで少数で一泊二日で行いました。その様子を動画で撮影したのでそのうち公開する予定です。
基本的な軍装品の着装方法や基本所作の教育を実施していますので、参考になるかわかりませんが楽しんでいただければと思います。
今回は報告も兼ねて写真で少し紹介したいと思います。



題して、陸軍竹ノ学校であります(笑)
初日は日中別件で撮影がありましたので夜からの実施となりました。
キャンプ場のログハウスを借りて教育開始です。(キャンプ場には事前に他の宿泊客がいないことを確認し安全に配慮して実施しております。)



まず被服、装備品を支給し基本的な着装方法を勉強します。
写真は支給された軍服(九八式冬衣袴)に襟布、階級章の縫い付け要領を教育している様子。



贅沢を言えば整頓棚が欲しかったのですが、兵舎の中をイメージして部屋を整理し就寝。
足元に装備品を置いていますが、これが実際は棚の上に置かれるというわけです。
装備品の置き方にも各聯隊ごとに差はあるものの要領があり、しっかり整頓されていなければなりません。
整頓できていないと、先輩である古年兵や班長に装備品をひっくり返され、現在の自衛隊にまで引き継がれる「台風」現象が発生し、よしと言われるまで何度もやり直さねばなりません。



翌日の朝食の様子。各々支給された食器袋からアルマイトの食器を出して並べています。
できるだけ当時の規格に近いものを集めました。
今回は近衛歩兵第三連隊所属の方の証言をもとに箸を自前で私物品を持ってきてもらい自己管理としたのですが、手前に展示してあるように箸袋入りの箸(大正期までは金属製、以降竹箸)が支給品として存在した他、シンプルな箸箱入りの箸が陣営具で管理されていた部隊もあったそうです。
食事内容は当時のレシピを再現し、朝はパン食を支給しました。コンビニで売っているような食パンが一袋で一人一食という量に初年兵達は驚いていました。
しかし訓練では体力を使うので、当時の兵隊はこれでも物足りなくなって腹をすかしていたということです。
舐め物(パンに塗るもの)として杏ジャム、砂糖を、またコーヒーを支給しました。



兵舎の前で集合写真。営内靴(室外へ出るときに履くつっかけのようなもの。室内では上靴というスリッパのような物を履きます)として支那靴を代用して履いています。
人数がいればもう一棟借りて下士官室にし、下士官は別部屋で泊まりたかったのですが今回は実施しませんでした。
なお、裏方である私とエダさんは将校なので皆が寝静まってから営外の住居へ帰りました(笑)
朝食後は兵舎を後にして演習場でひたすら演習です。



理想を言えば昭五式背嚢を人数分用意したかったのですが員数が合わないため断念。背嚢の装備縛着要領は九九式背嚢で実施しました。
紐の端末処理が大変なので初年兵達にとっては昭五式の方が楽だったかもしれません。
体格の良い國好二等兵は特製の特大サイズを着てもらってるのですが丈が短く襦袢の裾が長すぎちょっと不恰好になっています。
本来襦袢の裾は衣の裾から見えないよう処理するのが一般的です。



弛んでいると判断されれば、初年兵の心は優しく矯正されていきます。
実際の軍隊では厳しく実施しますが、私たちは本物の軍隊ではないのでそこまで厳しくはありません(笑)
しかしある程度の緊張感を保たなければ、小さな事故を起こし、それが行く行くは大きな事故に繋がっていきます。軍隊とは本来人命を奪う兵器を取り扱い、危険な任務に赴く組織です。万が一ということがないよう常日頃緊張感を保つことが不可欠とされてきました。
この後昼食(献立は混ぜ飯二合、味噌汁、たくあん漬け、舐め物として葱味噌バターを再現)を支給し、午後の訓練に移ります。



時間ギリギリまで訓練を実施し最後に記念写真。
修理から帰ってきた竹の会の九二式重機関銃も一緒に撮りました。



教練会へ参加した初年兵の皆さんお疲れ様でした。
指導に当たってくれた班長、二年兵、また裏方で活躍してくれた週番士官のエダさんもありがとうございました!



第二回も企画中ですので、興味がある方、参加してみたい方はお問い合わせください。
不足している装備品の貸し出しも実施しております。

そしてその翌週は新作の撮影です。



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!!!???



竹の会の新作にご期待ください!!

なお五月にNHKで放送されたファミリーヒストリーの再現VTRに少しだけ協力させていただきました。
一日かけて3シーンほど撮影したと思うのですが放送されたのは一瞬(笑)
尺の都合などもあるのですが制作スタッフの苦労が偲ばれます。皆様大変お疲れ様でした。


私は班長がケツバットで新兵を叩きのめした後にバケツで水をぶっかける係でした。海軍のしごきはきついですね。

今後ブログでは映像、演劇関係者、はたまた軍装マニア初心者の方からよくいただく質問に答えた内容をまとめて掲載していこうと思います。
何かの参考にしていただければ幸いです。あるいはこういうやり方もある、ここが違うなどのご意見もありましたら是非ご教授願います。
初年兵教練会でも口を酸っぱくして言ったのですが、各時代基礎としている教範はあるものの、各聯隊などの部隊によって若干教育方法に違いがあるため、「これが絶対に正しい」と言い切れる所作、着装要領というのは無いものと思っております。
時代考証は根拠資料を基に実施していますが、少しでも他の情報があれば作品制作に役立てたいと思っております。  

Posted by メラーノ at 06:58Comments(0)制作記録イベント出展情報

2014年10月03日

雑誌「丸」11月号にて紹介されました!

お久しぶりです。何かと忙しく、前回の更新よりかなり間が空いてしまいました。
今年も竹の会をよろしくお願いします。

辛亥革命


辛亥革命時における、洋式化された新編清国軍の再現写真。

今月発売の雑誌「丸」11月号におきまして、竹の会のDVD二作品が紹介されました。

DVDご購入に関しまして、既に何件かご購入、お問い合わせ頂いております。ありがとうございます。
ご購入の際は竹の会のメールアドレス(taem.take@gmail.com)宛にご連絡ください。






※コメント欄でお問い合わせ頂いたK様、添付していただいたアドレス宛にご連絡さし上げましたが、アドレスが間違っているようで送信できません。竹の会のアドレス宛(taem.take@gmail.com)にご連絡ください。

さて、公開が遅れている「孤島の誓い」ですが、様々な困難や問題を乗り越えつつ現在完成まであとわずかです。関係各所、楽しみにしてくれている皆様、お待たせしてすみません。
今年は何かと忙しく、体調を崩すなどトラブル続きでした。次の企画に移る為にも一刻も早く完成させたい所存であります。
前回の記事以来、何度か追加撮影をしています。ブログももっと充実させたいので、時間があるときにまたレポートを書きたいと思います。


今年は外部協力も盛んに行っております。
戦争を題材にしたテレビドラマ、映画、舞台作品などに衣装小道具、美術協力や所作指導、エキストラ協力などをしました。
これも公開できる範囲で時間があるときに何か書けたらと思っています。
夏からとある監督の依頼で短編作品に連続で助監督、美術で参加させて頂いてましたがこれも一段落しましたので、またこの秋からご依頼あれば飛び回ろうかなと思っております。小規模ではありますが何かあればご相談承ります!


  
Posted by メラーノ at 18:58Comments(0)制作記録

2013年06月17日

映画「孤島の誓い」第三回撮影記録!

竹の会ブログを御覧の皆様、お久しぶりです。

撮影が雨で中止になったりで色々手間取りまして、更新に随分間が空いてしまいました・・・。

さて、まずは四月に行われたブラックホールショーでの上映会の様子をご報告します。



御陰さまで、二日間で二百名以上の方に作品を観て頂く事が出来ました!
上映した「ペリリュー決戦」、「化狸作戦」、新作の「狼の一日」等、大変好評でした!
次回のブラックホールショーにも参加の予定ですので、今回来られなかった方は是非ご参加下さい!
また、今回はアンケートを実施しました。沢山の励ましの御言葉、貴重なご意見、ご感想ありがとう御座いました!
アンケートに寄せられたご意見、少しご紹介させて頂きます。(括弧内は年齢)

「戦争と平和というものを良く考えさせられました。」(三十代)

「一般に知られていない戦争の場面を後世に残るようにお願いします。」(四十代)

「国民党の猛上尉の怪演がよかった!」(二十代)

「大変満足でした。戦争中を思ひ出しました」(六十代以上)

観客の皆様の貴重なご意見ご感想、誠に感謝の意に耐えません!
アンケートに御協力頂いた皆様、重ねてありがとう御座いました!

上映会では小道具の展示も行いました!次回も持って来れるだけもってこようと思います。


上映スタッフの写真がこれしかなかったのですが、誤解の無いよう申し上げますと「竹の会」のスタッフはとても優しい人達ばかりです・・・。


ご来場頂いた皆様、ありがとう御座いました!
次回上映会もよろしくお願いします!

さて、いよいよ第三回撮影レポートです。
今回はエキストラメインの撮影となりました。
ネタバレしてしまうのであまり内容がかけないのが残念です!
初日は海軍参謀、加藤中佐登場シーンを撮影しました。
加藤参謀を演じるのは俳優の小林正さん。キャストを公募した際にご連絡頂いた方ですが、実は以前監督が「私は貝になりたい」の現場を手伝いに行ったときに一度御会いしておりました。(おまけに大学の大先輩でありました。)
不思議なご縁を感じます(笑)


流石の貫禄であります!

二日目は御殿場で行われているリエナクトイベント等で御世話になっている米海兵隊チームの皆さんと、日頃より大変御世話になっている軍事法規研究会(http://page.mixi.jp/view_page.pl?page_id=29781)の皆さんに支援で来て頂きました!


緒戦で奮戦する軍事法規研究会演ずる日本陸軍、水戸第二聯隊。



このアメリカ兵は何をしているのでしょうか・・・?


アメリカ海兵隊は上陸直後を想定して足を濡らします。映像ではわかりにくいかもしれませんが、こういった細かな気遣いが作品の全体を引き締めてくれています。


出演された皆様、お疲れさまでした!

今回も無事撮影は終了し、あとは細かな素材撮りと編集だけです!
年内完成を目指して頑張ります!

最後にお知らせです。
竹の会は次回ヴィクトリーショーにて古鷹屋さんと共同出店、ブラックホールショーにて第二回上映会、夏のコミックマーケットで辛子工房&山本部隊試作班さんのブースにてDVD販売等を予定しております。
様々なイベントに参加の予定ですので、もし御会い出来ましたらよろしくお願いします!

そして新作である二・二六シリーズの大陸活劇、「狼の一日」も近日公開予定!



中国大陸のとある戦場、日本軍の一部隊が敵の謀略により包囲された。二・二六事件で叛乱部隊に参加していた過去を持つ主人公、上野伍長は部隊の危機を救うため、日本軍と協力関係にある中国の地方軍閥、猛上尉の部隊に助けを求めるが・・・?
偽日本軍の暗躍、密売、謀略、裏切り、銃声鳴り止まない大陸で繰り返される、狼達の一日を描く大陸活劇!乞うご期待!

それでは次回更新でまた御会いしましょう!

歴史映像研究会 竹の会  

Posted by メラーノ at 00:14Comments(0)制作記録

2013年04月11日

映画「孤島の誓い」第二回撮影記録!

皆様お久しぶりです。
今回は新作「孤島の誓い」の撮影記録報告、第二回です。

と、その前に、先に報告しておくお知らせがあります。
今月末、4月27、28日に東京で行われるミリタリーショー、ブラックホールにて、竹の会特別上映イベントを開催します。
過去作品の上映や、DVDの販売を行います。新作「孤島の誓い」の特報映像も上映予定です!

新軍事自主映画館コーナーで、お待ちしております!

ブラックホール公式HPはこちら!

さて、今回は3月の16、17、18、19日の四日間連続で行われた撮影の様子を紹介します。
前回の撮影から二週間程間が空いた訳ですが、実際にはその間にも大変な準備作業がありました。
特に陣地整備では大変な肉体労働をすることになりました。一週間、昼は穴掘り、夜はその他の準備作業で寝る暇もありません・・・。

新たに構築中の陣地



ひたすら掘り進みます。大量の花粉が飛来し、作業隊は呼吸困難に!






ある日、私が花粉症に苦しみながら一人で作業していると、この症状が花粉症だけではないことに気づきました。
風邪をひいていたのです。恐らく熱も出ていたのでしょう。私は陣地内で倒れ、突風により飛ばされてきた砂に埋まり、危機迫る状況に陥りました。

そんなこんなで苦労の末出来上がったのがこちらの撮影用機関銃陣地。











陣地の入り口はこんな感じです。
立っているのは数年来の付き合いである戦友、田村君。今回も「ペリリュー決戦」に引き続き出演してくれました。
今回の作品、「ペリリュー決戦」の登場人物達もちらりと出てきますので、「ペリリュー決戦」を観て頂いた方ならばにやりと出来るかも?



準備段階で既に命のやり取りをしている感がありますが、戦いはこれからです。

初日の撮影は前述の機関銃陣地を使ったり、専門家に発破をしかけてもらったりと、盛りだくさんの一日となりました。



海軍軍属の南兄弟。右が兄の龍一、左が弟の龍二です。
龍一役の加藤卓嗣さんは、ある業界で通称外道TAXIの名で知られる江古田大好き監督
私にとっては大学の先輩でもあり、自主制作映画の先輩でもあります。
外道先輩とは大学時代からの付き合いですから・・・いやはやそう考えると長いんですね僕らも(笑)

龍二役は今回初参加の寺部隼人さん。
キャストの公募で応募して下さった方です。足の怪我が原因で徴兵にはとられなかったという役ですが、上手く演じて頂きました!
現場で初顔合わせとなったお二方ですが、息のあったやりとりでした。お疲れさまでした!


寺部さんのブログはこちら!

外道TAXI監督の作品はこちらから!(子供には刺激が強いかもしれん・・・な・・・!)


夜、作戦会議中の出演者と私。なかなか休めません。

そして撮影二日目、今度は夜明け前から行動を開始。許可を得て海岸での撮影です。







海岸での撮影終了後、刀を構える主演の河合さん。キマってます(笑)
二日目の撮影はまだまだ続く!


機関銃陣地での撮影をし、更に夜には夜襲シーンの撮影を敢行!
休む間もなく戦闘は続きます。

そして三日目。ラストシーンの撮影から始まります。
ネタバレになるので、ここから先は秘匿事項になります。



さて、写真のこれは何でしょう? ※答えは本編を御覧下さい。

日も暮れてきましたが、更にロケ地を移動し、今度は某海岸沿いにある洞窟へ。
ここは戦時中に実際に本土決戦用として構築された洞窟です。(許可を得ています。)
ペリリュー島の陣地と同じく、軍の規格にあわせて作られているので、雰囲気はかなり近いものとなっています。



食事の準備をする田村。
細々としたものが転がっています。暗いのでわからないかとは思いますが、缶詰や熱量食、皿に至るまで当時の海軍の物を再現した物や実物を置いています。

今回の撮影は美術方面などで、モデラーとして知られる古田和豊さんに参加して頂きました。
缶詰などの細かいところで考証協力して頂いております。また、本編でちらっと出演されてます(笑)
旧日本軍の軍装品の精密複製品の製作、販売をされている古鷹屋さんの店主でもあります。
ビクトリーショー等で最近よく共同出店させてもらってます。

古鷹屋さんのブログはこちら



「ペリリュー決戦」にも登場した第四十一警備隊の上野二曹。
演じるのはお馴染みの恵田昌州さんです。今回も熱の入った演技をして頂きました。
本編でどのように功刀中尉達とやりとりをするのか、乞うご期待!

迎えた最終日。四日目は内地のシーンを撮影します。
出征する功刀中尉を見送るのは、綾部ふゆさん演じる妻の靖子です。



今回は撮影支援として、綾部さんと活動を共にする杏ノ助さんにも来て頂きました!ありがとうあります!

その様子を鮮明に語る杏ノ助さんのブログはこちら。

綾部さんのブログはこちら。

河合さんも当日のことをブログで紹介してくれました。こちらからどうぞ。

昨日までの地獄を考えると、とても和やかな撮影現場です。



さて、こうして四日間の撮影は無事に終わりました。
色々書きたいことはあるのですが、疲労困憊だった為記憶が断片的で、よく思い出せません(笑)
翌日超スピードで後片付けをし、東京へ戻らねばならなかったので大変でした。

しかし一つだけよく覚えていることがあります。

な、なんと、主題歌を杏ノ助さんが歌ってくれることになったのです。

衝撃的サプライズだったため脳の回転が追いつかず、ひょっとしたら夢かもしれませんが、正夢になることを祈っております(笑)

撮影報告はとりあえず以上になります。
このあとも一日だけ撮影があったりしたので、撮影は九割終了しました。あと二日程撮影をする予定です。
続報に乞うご期待!!  
Posted by メラーノ at 20:52Comments(0)制作記録

2013年03月01日

映画「孤島の誓い」遂にクランクイン!

竹の会の新作「孤島の誓い」が遂にクランクインしました!

今回はその様子をお伝えします・・・が、その前に、自主制作戦争映画がどうやって作られるのか、少しご紹介しましょう。
作品は基本的に自費で製作しています。自主制作映画は勿論、見てくれるお客さんに楽しんでもらう為に作ることが前提にはありますが、同時に、作り手が商用映画では実現不能な企画を表現する場でもあります。
撮影の前にやってみたい企画をまとめ、脚本を書き、必要な小道具類やロケ地確保、配役やスケジュール立て等、様々な作業をします。
今回は撮影に入るまでに、一ヶ月はかかりました。

さて、準備が固まってきたところで、監督は早めに現場入りをし、ロケ地整備にとりかかることにしました。
機械力の無い、シャベル一本で行う、ミリオタならば誰もが憧れる男の仕事ですね。

今回は応援に俳優の恵田昌州さんがかけつけてくれました。

恵田さんは、2010年度作品「陸軍報道部」に出演して以来、竹の会の作品に参加してくれています。
「紅虎作戦」では中国軍の狙撃手役、「化狸作戦」では主演を演じ、「ペリリュー決戦」やその後の新作にも出演して頂いてます。


さて、男二人、気合いを入れて現場に突入した初日は・・・。


雨!雨!雨!
仕方なく屋内で進められる作業や買出しを行いました。嫌な予感がして震えの止まらない一日でした。

そして二日目・・・。



雪!降り積もる!男達の夢を凍らせる無情の雪!白い悪魔!!!

言葉を無くしながらこの日も室内作業。
思えばこれが間違いだった。この時決死隊を編成して決死設営作業に挑んでいれば、もっと余裕がもてたのだ・・・。

三日目。晴れ。

風景は正に満州のそれと化しているが、週末には南方を撮らねばならない。
我々には決して休んでいる暇等無かったのです。
工期は二日遅れ、雪は重くのしかかり土を凍らせ、絶望的な演出を果たしてくれました。
決死の陣地構築は日の出から日没まで続くのでした。



竹の会のメンバーであるモササ君や、ツルオカ君が時間を見て手伝いにきてくれました。


高橋享平(PN:茂笹享、通称モササ)私の大学の同期で、数々の自主制作映画に出演、共同製作や共演をしてきました。
今や竹の会のマスコット的人物です。
最近はトランスフォーマーばかりいじっています。
ブログ:http://orehaomochadeasobuzo.blog.fc2.com/



木の根が行く手を阻み、これを掘ると泥岩にぶつかり、それを掘ると海が近い為か砂が出てきます。
まだまだ掘ります。



四日目の朝、恵田さんが手の痛みを訴えました。これが労働の痛みです。尊い物と思って今日も穴を掘りましょう。



ひたすら掘っていると、段々男たちの話している内容がおかしくなります。
「地下王国」の話や、「スマイルプリキュアが最終回を迎え、新番組ドキドキプリキュアに対して、我々はこれからどう向き合っていくべきか」等、ジャンルは多岐にわたります。意味はよくわかりません。

しかし、こうして掘ってみると、実際に戦場で陣地構築をした先人達の苦労がわかってくるようで、涙が出てくるのでした。
雪が降ったとはいえ過ごし易い気温です。酷暑の中での陣地構築は、二年前の「ペリリュー決戦」の準備で死ぬ程味わっているので、それに比べればかなりマシですが、実際にパラオの暑さを経験した私にとって、それすら生温い物でした。



良い感じに出来上がった頃、恵田さんの姿が見えなくなりました。呼んでも返事が無いので探してみると、陣地の中で意識を失っていました。
こうして、文字通り我々の血と汗と涙をもって、ある程度の陣地構築は終了しました。

さて、いよいよクランクインです!
撮影した映像から切り出した写真で様子を紹介します。

主演の河合郎弘さんです。日本海軍西カロリン航空隊、第二百十四設営隊に派遣された、功刀博(技術中尉)役です。
今回俳優を公募した際に応募して下さいました。とんでもないイケメンです!


奥に写っているのが、右が山上二曹役の麓知彦さん。私の大学の先輩で、外道Taxi監督の自主制作作品の現場ではよく御世話になりました。
左が関真之介君。同い年で、大学は別でしたが縁あって2009年度作品の「捨て石」で狙撃手役をやってくれました。



写真は「捨て石」に出演した際の関君。


妻への手紙を書く功刀技術中尉。
功刀は、大学を繰り上げ卒業し、翌年技術中尉へ任官、結婚後すぐに戦地へ送られてしまいます。
青年士官らしさのなかに、どこか学生らしさの残る役柄です。
今回戦争映画に初挑戦という河合さんですが、様になってます。流石ですね!
オーディションの際、今回の功刀のイメージにピタリとはまっていたので、主演をお願いすることになりました。
河合さん、最後までよろしくお願いします!

※河合さんのブログはこちら!
http://beamie.jp/t/akihiro_kawai.html

さて、撮影初回は物語の舞台であるペリリューの海軍第二百十四設営隊の面々が登場します。主に戦闘前のシーンです。

第五分隊分隊長、笹塚技術大尉。演じるのは海軍衛兵隊(http://homepage1.nifty.com/TS/NHG/)の指揮をとる、原知崇さん。
衛兵隊での活動や、過去の映像作品で御世話になっています。海軍関係のエキスパートの方です。今回もアドバイスを頂きました。

さて、第五分隊のその下には施設隊があります。


施設隊の隊員達。指揮をとっているのは海軍軍属の敷島技師。
思えば、このように軍属ばかりが登場する自主制作映画も珍しいかもしれません(笑)


部隊の大半を占める朝鮮人軍属達。
一番左は月岡軍属役、俳優の鹿目久憲さん。今回初参加ですが、素晴らしい演技をして頂きました!

第二百十四設営隊は、総勢八百人程の部隊ですが、純粋な軍人は二十名程度で、他は全て軍属でした。軍に雇用された労働者ということになります。
これには朝鮮人軍属も多く参加しており、戦闘開始時に大半は降伏するか、あるいは戦闘に巻き込まれ戦死されました。
戦地へ派遣される海軍軍属は本来高給とりな職業ですが、実際にはほとんど未払いのままだったそうで、日本の軍隊の残酷さの一面が伺えます。
今回の作品には月岡、康本、朴木の三人の朝鮮人軍属達が登場しますが、これは資料を調べていく上でどうしても描いておきたい話となり、登場することになりました。


必死に掘った陣地はこのように、大型の退避壕になりました。
個人的にはもう少し手間をかけたかったのですが、致し方ありません。悔しい!

お気づきの方もいらっしゃるとは思いますが、数日前に雪の降っていたところです。現場は撮影日も寒かったのです。
そんな中、半袖、短パンで出演して下さった出演者、影で支えてくれたスタッフの皆さん、大変お疲れさまでした!

二日間に渡る撮影が終わった後は、死に物狂いの後片付け、撤退作業が始まります。
撮影が終わってしまうと気が抜けてしまうので、最も危険な作業になります。

何とか無事撤退に成功しました。倒れているのは限界を迎えた恵田さんです。今回の撮影では出番が無いのにスタッフとして尽力して下さいました。ありがとう御座いました!

十数人分の衣装小道具の整理や、多くの設営資材の残る現場の完全撤退には、撮影終了後二日間を要しました。
心身共にボロボロですが、次の撮影の準備があるため、休む間は全くありません!

自主制作で戦争映画撮るということはつまり、それなりに大変なことなのです(笑)

まだまだ撮影は始まったばかりです!残りの撮影も頑張ります!

最後に今回のメインヒロイン、功刀靖子役の綾部ふゆさんをご紹介します。
ニコニコ動画の歌い手として有名な杏ノ助さんの相方で、文語調の歌詞の製作をされたり、短歌を詠まれたり等、大変雅な活動をされている方です。
今回は杏ノ助さんのご紹介もあり、縁あって出演して頂くことが決定しました!

綾部ふゆさん、杏ノ助さんの公式サイトはこちら!
http://bangetu-tei.jp/

撮影はまだなので写真はありませんが、大変期待が高まるところです!(笑)

また時間を見て撮影の様子の紹介や、出演者の紹介をしたいと思います。
それでは、次回の更新をお楽しみに!  
タグ :日本軍映画

Posted by メラーノ at 04:00Comments(2)制作記録